前回までのあらすじ
~いい感じで食事会を終えた二人、油断していたところ突然のクラブへのお誘い。医師として、男として、ここは決めておきたいところである~
リサの勧めるイケてるクラブに行くことになりましたが、春先とはいえまだまだ極寒のシカゴ、外にでるとシカゴの強いビル風で彼女はぶるぶると震えていました。「寒いの?僕のコート着なよ」と心の中で優しい声をかけて、僕もぶるぶると震えながら一緒にクラブへ向かいました。イケてるクラブに到着したのですが、いかついおっさんから今日は貸切だからダメ、と断られてしまいました。あーだめか、と思っていると、もう一つハワイアンっぽいクラブがある、と近くのクラブに行くことをリサが提案してくれました。うん、まだいける。
お店の中は人でごった返しており、なんだかよくわからない名前のフルーツがたくさん乗ったカクテルみたいなものを2人で注文し、いざクラブステージへ、と思っていたらいかついおっさんから、今日はクラブの方は空いてません、と言われました。なんだかついてない。
とりあえず店内でしばらく過ごすことに。どうやってメリッサ(最初に僕が間違えて連絡してしまったリサの同僚)から僕のことを聞いたのかと質問したところ、彼女は毎週火曜に病棟カンファレンスみたいのをやるらしく、その時に仕事中にエクモスペシャリストのパムに絡まれてほんと困った、彼女クレイジーよ、という話をしていたらたまたまそれを横で聞いていたメリッサが、そういえば変なペイジが私の元に来てたわよ、といった感じで伝わったのだそうです。彼女は確かにクレイジーだよね、ただ物事を変える力ってそういうクレイジーなところにあるんだろうね。僕がつたない英語でそれを伝えると、彼女は静かにそしてどこか恥ずかしそうに、頷いていたような気がします。店内がハワイアンな感じで暖かく、お酒も回ってきたのか、気づいたら僕は、深い眠りに落ちていました。
ふと目を覚ますといつもの病棟、いつものエクモ患者。あれ、クラブにいたはずじゃ。。その横にいつものようになにかをずっと喋り続けるパムを見かけました。しばらく放っているといつの間にか僕に彼女がいないからどうにかしてあげないと、という話になっていました。その話題はもはや一種のネタ化していて、誰もが実際に働きかけてくれない事実を僕は知っているので、はいはいありがとうございますいつものね、と冷めた感じでいました。すると、パムは近くにいたアジア系の透析レジデントに、声を
声をかけることなく、別の話を続けていました。
僕の話は終わっていました。
そこから物語は始まりませんでした。
とてもとても長くて楽しい、夢を見ていたのかもしれません。そう、彼女が欲しいと嘆く僕に、パムが見せてくれたほんのひと時の幻想。思えば自分に都合のいいことが起こり過ぎていたような気がします。でも、たとえ夢であっても幻想であっても、色々なことを考え、学び、人生をもっともっと楽しむ可能性を感じることができた、そんな貴重な時間でした。前を向いて一歩一歩進んでいこう、そう思えるようになりました。そうしてまた今日も、なんか知らない番号からの緊急テキストが届き、エクモの1日が始まります。
テキストのタイトルは
「glad to see you (会えて嬉しかったよ)」
次回からは 新章 エクモスペシャリストのパム ティファニー編 をお楽しみください。
24件のコメント
どんだけ許してくれないんですか。
懐かしいですね、この許してくれなさ
ところで年報はどうなった?
僕もう年報の担当じゃないですから。もらったら送りますよ。
キレてる?
キレてないですよ。これでキレる人いないですから。
長州小力的な返事を期待していたので残念です
先生も割と許してくれないですね。脈々と意思は受け継がれてますね。
そこらへんは読者の方々に想像してもらえたら、と思って作りました。
いや、ここははっきりせなあかん。みんなもやもやしとる。
なかなか許してもらえないですね。そこらへんのところを次回作以降ではっきりさせていこうと思います。
許してくれないのはわれらがKO義塾の伝統ですからね。で、目線はずしてもらえますか?
いや、そんなの伝統じゃないですから。風習はあるかもしれませんが。
うん。まず目線はずそう。
結局やったんかやってへんのかはつきりせえや
夢オチに読者の批判を集中させ、肝心のリサとの関係について煙にまく高等テクニックですね。天才数学者石神さん風やね。
夜寝る前にこれめちゃ面白いな、って考えてたことが、朝起きて冷静になるとそんなでもなくなる、そんな感じですね。
「あめいろぐ」から来てみました。いくつか記事読ませていただきましたが、面白かったです!
ありがとうございます。厳しい意見が多い中、温かいお言葉とても心に染みました。
結構いいかな、と思ったんですけどね。ファンタジーな雰囲気を感じてもらえればと。
俺ならもっとそのファンタジーをうまく描けた
事実をわざわざ夢オチにするというのは、なかなか勇気のいる判断だと思います。
てか、続けるのね…
これは…やり直しですね。笑
やり直し!
なんやねんこれ!
俺に結末あてられて無理矢理ストーリーかえたんちゃうの?