NZとAUの心臓・肺外科のトレーニングプログラムは共通です。プログラムに乗ると6年間のトレーニングの後に試験と面接を受け、コンサルタントになる権利を得るみたいです。簡単に聞こえますが、これがものすごい難関のようです。
まず、トレーニングプログラムに申し込むには、一定の要件を満たさなければなりません。論文や発表、手術の経験、とてもいい推薦状などです。それをクリアしたら、面接を受けるようです。正しいかどうかわかりませんが、AU・NZで年間50~70人くらいが申し込み、5人前後が合格してプログラムに乗るようです。合格するとaccredited registrarと呼ばれます。年齢は30歳前後のようです。これに選ばれた人たちはエリートと言って良いのではないかと思います。今までに4人のaccredited registrarと一緒に働きましたが、皆、非常に優秀で聡明で、野心家のように見えます。
彼らはトレーニング期間中に、いくつかの病院で研修します。そして、その間も何回か試験を受けるようです。
6年間のトレーニングが終わると、面接と筆記試験があります。これがまた非常に難しいようで、あんなに優秀で弁の立つ彼らが一生懸命勉強して臨んでも、一定の確率で落ちてしまいます。試験の値段も高く、一回7000ドルくらいするようです。そして、その試験を受かったとしても、コンサルタントのポジションに空きがないとコンサルタントとして就職できません。聞いた話だと、AU・NZにはこういう状態の人達が20人くらいあぶれているようです。
他人事になってしまうのですが、とても大変だなぁと思って見ています。
6件のコメント
【留学体験記まとめ】オーストラリア・ニュージーランド月岡 祐介 | 医師ペディア
3 年以内って厳しいなあ。専門医試験は日本はそういう意味ではずっと甘いですな。もっとも、日本の専門医はアメリカのとは重要性がちがいそうですが。
Takebe先生 先生のおっしゃるように、専門医の位置づけが日本のものと少し違う感じがしますよね。それぞれ厳しい面がありそうですが、海外の専門医取得の方がお金と気合いが要りそうですね。
アメリカでは、American Board of SurgeryとAmerican Board of Thoracic Surgeryいずれの専門医の試験も筆記と面接があり、それぞれ30万円くらい(つまりストレートでうかっても合計120万)で、さらにその準備のための講習を受けるとさらにそれぞれ30万くらいずつ上乗せとなります(240万)。American Board of Thoracic Surgeryの筆記、口頭ともにかなり難易度が高く、合格率は70%前後と厳しい試験です。3年間の間に合格できない場合は、一生専門医の資格をはく奪され、いわゆる”assistant surgeon”となります。
はじめまして。とても貴重な情報をありがとうございます!お金もかかる上に期限付きなんですね。また、専門医に2種類あるんですね。知りませんでした。
AU/NZの専門医試験も確か受けられる回数の上限があったように思います。それまでに合格できなければ同様にアシスタントサージャンのようです。あんなに長いことトレーニングをやってきてアシスタントなんて可哀想な気もしなくもないです。
トレーニングに終わりのない、自分の能力を自分で信じるしかない、日本の状況のほうが、残酷で厳しいとおもいます。