Redo開胸

2018-02-25

一般的にRedo手術(二回目以降の手術の事)では、心臓が胸骨に癒着していたりするので慎重に剥離して、開胸することが多いと思います。それは日本でもAUでもNZでも同じでした。

しかしながら、私が今ついているコンサルタント(大胆、スピード重視系)はそういうことをあまり気にしません。Redoでも、普通の手術のように、普通のSaw(胸の骨を切るためののこぎり)でワイヤーごとたたき切っていきます。Redoの開胸が手術開始から3分くらいです。初めて見たときは驚きました。「これで心臓が傷ついたりしないのですか」と聞いたら、「まぁ稀にあるけど。大丈夫だ。」と言っていました。RedoのAVR+CABG+上行置換が2時間で終わりました。

決して速ければいいというものではないですが、こういうやり方もあるんだなと勉強にはなります。

5件のコメント

  • OTA 2018-02-28 at 1:09 AM

    すごいですねえ。一度見てみたいのですが、関連するビデオか何かありますでしょうか?

    • 月岡 祐介 2018-03-04 at 5:29 AM

      太田先生 ご無沙汰しております。先日は盾やカレンダーなどを頂きありがとうございました。連絡先が分からず御礼を言えずにおりました。この場で恐縮ですがどうも有難うございました。
      すごいといえばすごいですが、あんなに急いでやらずにもう少し丁寧にやってもいいんではないかとも思います。残念ながらビデオはないのですが、やり方は非常にシンプルで、普通のsternotomyとほとんど同じ手順です。皮膚切開して、胸骨前面まで到達したら、胸骨の上端とザイフォイドの下端から縦郭内に少し指を入れて(2関節分ぐらい)用手的に剥離して、普通のソー(いちょう型ではない普通のソーです)をザイフォイドの下端から入れて、胸骨とワイヤを一緒に切っていきます。途中、ワイヤーのせいでソーの刃がだめになるので、ソーの刃を交換して残りの胸骨を切っていきます。あとは普通のRedoのやり方と同じだと思います。これでほとんど大丈夫だと言っていました。大丈夫じゃない時のことはまだ聞けていません。

  • 中村裕昌 2018-02-25 at 11:28 AM

     月岡先生
     タイでもredoのケースは多く(リウマチ性の再手術や先天性)、日本にいたときよりも多く経験することができました。
     術者により開け方は異なり、必ずFF bypassを使用する人や、サポートなしで開ける人など様々です。
     日本と違いCTは取らないので、開胸のメルクマルとして側臥位の呼気時に撮影したXpを使用しています。Aoが胸骨についていなければ大丈夫という事で。。。
     先週TOF術後でRoot aneurysm(7cm)+PA aneurysmのケースがあったのですが、サポートなしで開けてました。手術も3時間少し。。。
     どの症例はサポートして開けるかなど自分の中での基準がまだないので、今後確立していけたらいいでと思っています。

    • 月岡 祐介 2018-03-04 at 5:09 AM

      中村先生 CTを撮らないのですね!タイさすがですね。慣れればそんなに怖くなくなるものなのでしょうか。一度タイにも見学に行ってみたいです。

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