はじめまして。静岡市立静岡病院心臓血管外科の川口保彦と申します。Thomas Jefferson Universityに留学中の大平卓先生からの紹介で投稿させていただきます。
大平先生とは施設見学の際につながりました。私は現在卒後6年目ですが、海外の学会発表の機会のついでに病院見学をしようと思い、昨年秋にアメリカに病院見学に行きました。
大平先生のいらっしゃるPhiladelphiaにあるThomas Jefferson Universityを含めた数施設を見学しました。大平先生にはPhiladelphiaに滞在中ずっと気にかけてくださり、毎日食事にも誘っていただきました。同大学の廣瀬仁先生にもICU lectureに誘っていただいたりお食事に連れて行っていただいたり色々気にかけていただきました。
見学にうかがった時期は大平先生は勤務開始から3ヶ月しか経っておらず、「日々英語とstruggleしている」とおっしゃられていましたが、個人的には非常に堂々と仕事をこなされており、現地の若手attendingより信頼されている様子はたくましく映りました。
まだ道半ばですが私自身も大平先生にように海外で一定期間臨床医として働きたいと考えております。数年後に同じようなパフォーマンスを発揮できるか自信がありませんが、継続は力なりで、準備をコツコツ進めていこうと思います。
同じPhiladelphiaでは豊田吉哉先生率いるTemple UniversityでClinical fellowをされている砂川玄悟先生も紹介していただき、2日間見学させていただき、色々お話しさせていただきました。週の最後に砂川先生のご自宅に招いていただき、大平先生と集まってお話しさせていただけたのは非常に良い思い出になりました。
その他にも数施設見学しました。全てを書くと長くなってしまうので、ご紹介していただいた大平先生に関わる部分だけを記事にさせていただきますが、(他にも見学させてくださった先生ごめんなさい!)、下記アドレスに個人的に聞いていただければできるだけ詳しくお答えさせていただきます。
今回見学を考えたきっかけは、漠然と学生時代から臨床留学に憧れていて、紆余曲折を経て心臓外科のトレーニングを始めて、なんとなくUSMLEの対策を始めて、・・・というところまでは来たのですが、その目的が曖昧になっている気がしたため、なぜ留学したいのか?など自分の中でもう一度clearにしたかったからです。もちろん、日本の心臓外科治療に一通り触れて、海外の医療とそれほど違うのか?と確かめるという目的もありました。私は、学生時代にStep1を取得し、研修医終了時にはECFMG certificationを取得し、・・・といったスマートな道は決して進んでいません。
巷に溢れている意見かもしれませんが、色々見学した結果思ったのは、アメリカに行ったからどうこうというものではないし、留学すること自体が目的になってはいけずそこでどうするかが大事なのだろうと、ただ一人間として(留学など)自分が決めた目標に向かってaggressiveに突き進みchallengeを続けている人は輝くのだろう、(そして自分もそうありたい)ということです。日本でもアメリカでもAVRはAVRであってCABGはCABGなのだと思います。自分が今いる病院での環境を考えても国内でも十分なトレーニングはできると思います。ただシステムの違いやコメディカルや心臓外科をサポートする周辺科の充実度によって手術トレーニングに集中でき短期間で数多くの症例を経験できるという点は確かに非常に大きなメリットだと感じました。色々書きましたが、最終的にはやはり臨床留学というものに大きな魅力を感じました。
学生の頃から留学体験記などをよく読みましたが、百聞は一見に如かずで、実際に自分で現場を体感することが一番良い刺激になりました。職場にも迷惑をかけましたが、休みを取ってでも一度施設見学などはいくことはオススメです。大平先生には先日の三重の心臓血管外科学会でもお会いし色々お話しさせていただきました。思い切って見学をしたことで人の縁もできたことは貴重なものになりました。
気が回らず写真が1枚もなく味気ない記事になってしまいましたが、大平先生はじめ施設見学の際に色々お世話してくださった先生方には大変感謝しています。自分も同じ立場になった時に、同じことができればと強く思います。
最後にちょっと宣伝で求人です。私を含めて2人今年異動があり、補充がないため人手不足になります。ぜひ若手の先生方が興味を持ってくださることを期待しています。
【静岡市立静岡病院 心臓血管外科】
開心術+TAVI/TEVAR 440件程度
high volume centerです。大動脈・冠動脈・弁膜症・ステントグラフト満遍なく研修できます。
決まったカリキュラムはありませんが、
3-5年目 末梢血管手術、末梢グラフト採取、胸骨正中切開から始まり人工心肺カニュレーション、止血・閉胸など
5年目末/6年目から AVR、ITA採取、TAPなど数はそれほど多くないですが開心術執刀の機会もあります
それ以降は実力に応じて解離上行置換などと進んでいくことになると思います。
メンバー構成の兼ね合いなどもあり表記通りに行くかどうかはわかりませんが、年々若手でも手技に取り組む機会は増えて行くようにシフトしているようです。
当直制で比較的on/offははっきりしており、年中の病院泊まり込みなどはありません。
地方都市の公立病院なので待遇面ではかなり良いです。
現在のメンバー構成でいうとオススメは3-7年目だと思います(新外科専門医制度のことは個人的に詳しくありません、悪しからず)
興味がある方は川口(ykawaguchi1986@icloud.com)までぜひご連絡下さい。いつからでも勤務開始できると思います。
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