縄田先生の留学体験記 2

2018-05-28
アデレード臨床留学
アデレードはオーストラリア第5の都市で、南オーストラリア州の州都です。人口はおよそ120万人、州全体165万人のの7割以上がアデレードに居住します。有名人としてはテニスのレイトン・ヒューイット選手、ゴルフのアダム・スコット選手を輩出しています。
南オーストラリア州と北部準州とで、オーストラリア全土を経度線で3等分した真ん中の領域を占め、州境はほぼ直線です。
北部準州との境辺りに、有名なエアーズロックがありますが、残念ながら私は訪問の機会がありませんでした。
北部準州の23万人を加えた190万人弱をカバーする公立の心臓血管外科手術実施病院は、私が勤務したロイヤルアデレード病院と、同じくアデレードにあるフリンダース医療センターの2施設しかなく、ロイヤルアデレード病院症例数は提携する私立病院を含めて年間800例程度でした。
ほとんどが冠動脈バイパス手術か弁膜症手術で、大血管手術は少なく、先天性心疾患患者はメルボルンの小児病院に搬送されていました。大血管手術が少ないのは、恐らく病院までたどり着かないためと思われます。北部準州の州都ダーウィンからは3000kmありますし、エアーズロックの最寄りの都市アリススプリングスからも1500km程度あります。オーストラリア大陸の真ん中で急性大動脈解離になれば、ほぼ間違いなく助かりません。
オーストラリアでは指導医クラスの医師を Consultant と呼称し、彼らは患者の主治医として治療を完結出来る立場です。私はその下で働く臨床登録医(Registrar)であり、Consultantの指示に従って各種医療行為を行う立場でした。月岡先生のコラムにもありましたが、Consultant surgeonはなぜかMr ○×と喚ばれます。外科医は下位に見なされていたからだとか床屋さんが外科医を兼ねていた由来だとか色々な説があるようですが、私は、力士が十両に上がると「関取」と呼ばれるようになるのと似たニュアンスを感じました。
次回はIELTSの話をします。

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