お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

太田「 もしもし北原先生、今なにしてる？」
北原「 今ちょっと患者さん診てるとこですが、なんでしょう？」
太田「ちょっとリサーチミーティングしよか？」
北原「あ、じゃあすぐオフィスに行きます」

北原 コンコン「北原です」
太田「あ、どうぞ。悪いね忙しいとこ」
北原「あ、いえ。次の学会発表の件ですか？」
太田「あ、まあそれもあるけど、そんなことより先生、盆栽好きやろ？」
北原「え、なんですかいきなり？！」
太田「さいたま市に盆栽美術館あるみたいやから、学会のついでに一緒に行こか？」
北原「なんでまた盆栽なんすか？」
太田「将来、盆栽を趣味にする予定やから、予習を兼ねて勉強しに行こうや」
北原「えらく多趣味ですね」
太田「まだ趣味と言える段階ではなくて、「盆栽が趣味」に至る初期段階の、鑑賞により向学する趣味の段階みたいな感じ」
北原「まああまり違いは分かりませんけど」
太田「全然違うよ。見るのと実際にやるのとでは大違い。手術と一緒。まずは見て学んで頭の中で何度もシュミレーション！」
北原「な、なるほど」
太田「で、場所は予習済みで大宮なんだけど、東京の電車は難しいから案内してよ」
北原「いやいや難しくないっす。電車一本で乗り換えなしで行けます」
太田「まあそう言わずに。盆栽仲間として一緒に学ぶのは悪くないと思うよ」
北原「いやまだ盆栽仲間って感じじゃないっす」
太田「盆栽道は奥が深くて、名のある盆栽には１億円以上の価値がつくらしいよ。医者やってるより将来安心安定やで」
北原「はあ」
太田「暴走族を更生させるにはまずトイレ掃除から！シカゴ大学で手術を学ぶにはまず盆栽鑑賞による向学の念の確認作業から！」
北原「なんすかそれ」
太田「有名な教訓やで。テキサスの大野先生も同じこと言ってたで」
北原「大野先生は盆栽をするんですか？」
太田「いや良く知らんけど、盆栽みたいな顔してるで」
北原「そんなわけないでしょ。大野先生ってどんな人なんですか？」
太田「ん？単なる変態やで」
北原「ダメじゃないっすか」
太田「いやいや、めちゃめちゃ優秀ですごい人、かつ変態なだけ」
北原「要は変態なんですね」
太田「そやで。でも安心安定の変態やで。つまりは盆栽も同じこと」
北原「分かったような分からないような」
太田「ここはひとつ大野先生に免じて盆栽美術館行こうぜ！」
北原「ふむ」
太田「昼飯お寿司おごるから」
北原「盆栽美術館、行きます！」
太田「じゃ、リサーチミーティングの結論としては「お寿司>大野先生」ってことで終了！」