- 総括
私は、チームWADA会長の和田先生に紹介いただき、5日間シカゴ大学胸部心臓外科の太田先生および北原先生の元で、見学をさせていただきました。時に泣き、時に笑いながら先生方が課すタスクと格闘し、熱い気持ちで行う手術見学の日々は瞬く間に過ぎ去っていきました。お金も大してたまっておらず、彼女もいない真夏に転がり込んできた夏休みをシカゴで軽くなどと考えていたところからは想像もできない程の大きなものを得ることができました。ひと夏の思い出のつもりで始めたものは、一生の財産となりました。まず、この場をお借りして今回の見学の実現にお力添えをいただいたすべての方、特に前述の先生方3名とシカゴ大学の事務の方には、心より感謝申し上げます。
僕が今回の見学を通して学んだことは無数にありますが、この中でも特に書き記すべきだと思うものをできるだけ端的に説明させていただきます。
まずこっちでご活躍されている先生方の共通点ですが、僕は「スタミナ馬鹿」だと思いました。北原先生が僕に向けてくださった言葉でもありますが、ダッシュしなくてもいいけど走り続けた人とそうでない人ではいつの間にか差がついているものだそうです。きっと止まらずに走ってきた自負のある人だから言えることなのだと思いますし、それだけに重みが違うと思いました。医師としてキャリアを積んでいく中で、立ち止まる理由は無数にあると思います。医師として時に立ち止まる人生が決して悪いわけではなく、それぞれの大切にするものがあるとも思います。ただアメリカで活躍されている心臓外科医の共通点としてその点を認識し、明確な目標を持って毎日を進んでいくことの重要性を改めて肌で感じることができたことは、先生方と時間を共にする中で気付くことのできた最も大切なことのひとつだと思っています。
もう一点僕が気付かされたのは、縁の大切さです。僕自身は八方美人気質があり、比較的誰にでも気に入られようと動きます。ただその中にあっても、心のどこかではあまり人のつながりの重要性は理解していないというか、実力があれば道は自ずと開くものであると思っている部分がありました。無論世界規模で見ても傑出した実力があれば、それは真実にもなり得るとは思います。しかし現実はほとんどの人がそこに当てはまることはなく、ほぼ横並びの実力の中で競っているものです。そこで違いを生むひとつの要因として縁があるのだと思いました。毎日目の前のことを愚直に頑張る人には、縁が手繰り寄せられると思います。あるいは日本特有の飲み会文化の中での才能が縁を呼び込むかもしれません。ひょんなことでシカゴ大学で見学の機会を与えられ、必死にタスクをクリアして笑ってもらうことも縁です。どこに転がっているかわからず、いつ力を発揮してくれるかもわからないものですが、社会で生きる以上は人とのつながりが不可欠であることを強く認識しました。
また、これまでの二点が明確になると、不思議に感じられた疑問がひとつ解決されました。何故太田先生と北原先生はこんなにもブログに熱意を注ぎ、笑いにこだわり、チームWADAを愛し、楽しそうに生きているのか。僕なりのひとつの説明としては、前述した「走り続ける」ための工夫なんだと感じます。毎日朝から晩まで病院にこもり、手術をし、技術を磨き、論文を執筆するだけの生活は、どんなに大きな目標を掲げて前に進もうとしたとしてもほぼ不可能です。それでも走り続けようとすれば、景色を変えたり新鮮さを取り入れる、いわば「真横に走ってみる」ようなことがあっていいのだと思いますし、先生方のしていることはまさにそれなのではないかと思います。しかもただ横に走るだけではなく、すごいスピードで、拾える縁はごっそり拾いながら、というすごいおまけ付きです。そう考えると、チームWADAの巧妙すぎる仕掛けが見えてきたような気がすると共に、お二人のがめつさ/たくましさ/賢さを感じずにはいられません。
※あくまでも何もすることのない飛行機の中で、総括用に絞り出しているものです。もちろん心臓外科を広めるなどたくさんの崇高な活動目的がある(はず)前提でのプラスアルファの仮説に過ぎません。
長々と書いてしまいましたが、来る前よりも具体的で現実味のある目標としてアメリカでの臨床を捉えることができた5日間となりました。せっかくの夏休みをこんな使い方して、と散々言われましたが、こんな使い方にほとんど後悔はありません。欲を言えば、時差と疲労で体調を崩してしまったので、もう少し場所をどうにかしてほしい。あとシカゴのきれいなお姉さんとディナーがしたかった、、、!!とわがままは尽きませんが、自分の実力不足を見つめ直し、いつか僕の元に見学に来る輩が現れたら、この気持ちを思い出したいと思います。
1週間お見苦しい文章にお付き合いいただいた方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。ご迷惑をお掛けしました。
太田先生、北原先生 くどいようですが、大変お世話になりました。ありがとうございました。今後とも何卒宜しくお願い致します。チームWADA札幌支部長として微力ながら尽力して参ります。
- マル秘作戦
会長からの指令は当初却下されておりましたが、急遽平行して決行と上層部の判断が下りましたため、実は秘密裏に遂行致しました。成果を動画としてまとめましたので、是非ご覧ください。
当初:シカゴにて、世界中の人々の夢をWADA Tシャツに書いてもらい、1枚の作品を仕上げよ。チームWADA 世界進出への足掛かりとしてこい。
改変:シカゴでWADA Tシャツをサインで埋め尽くしてきて、いじけてる会長驚かしたり~。ここまでするか、ってところまでやらな意味ないで。
どうぞ。
3件のコメント
塚越君、素晴らしい成果ですね。会長大満足です!
可愛い後輩を持って本当に幸せです。
太田先生、北原先生 僕のことも気遣ってくださり、塚越を歓迎してくださりありがとうございました。
また北海道の方からも盛り上げていけるよう頑張ります。
もったいないお言葉をありがとうございます!
TAVRを15分見学した後に失踪したこと、ばれていたのですね。
院内外でシカゴを満喫させていただきました。
素晴らしい動画ですね。塚越プラスα力恐れ入りました。
院内で見当たらないと思ったら、こんなところにいたんですね。