京都大学大学院 消化管外科の愛須です。
大学時代の文化祭のときのことです。
部活でお好み焼き屋さんを出していて、僕は店長でした。
学外の女の子も来ますし、いつも以上におしゃれしてかっこいいエプロンをつけて、頭には手ぬぐいなんか巻いちゃったりして、はりきっていました。
売上は上々で気分良く後片付けをしていたとき、リラックスしたのも相まって便意を催してきたのでトイレに行きました。
古い建物だったので和式トイレしかなく、僕は洋式派なんですが、そのときはまぁいいかと思って和式に入りました。
出すものを出してすっきりしたあとにトイレを流そうとレバーを押したその瞬間、エプロンの胸ポケットから何かが便器に落ちたのが視界に入りました。
レバーを押してから流れ始めるまでの一瞬のブランクの間にそれが携帯だと気づきましたが、もうどうすることもできず、携帯がスローモーションで便器に吸い込まれていくのをただただ眺めていました。
その様子は今でもはっきりと覚えています。
はっと我にかえった僕は何を思ったのか便器に腕を突っ込んで携帯を探しましたが、触れるのは水流だけでした。
意外と肘くらいまで入りました。
一連の出来事が終わった後、汚い腕と、なんだったら顔にかかったしぶきを洗面所で必死に洗いながら、トイレって簡単にはつまらないんだな、日本のトイレってすごいな、逆につまらせるってどんなサイズのう○こやねん、とか思っていたのを覚えています。
しかもその携帯は数日前に機種変更したばかり(防水携帯と言われて、お風呂で使っていたら壊れた)で一週間で二回目の機種変更だったので親にもずいぶん怒られました。
当時の僕は携帯が流されてしまったことは友達にも伝えましたが、腕を突っ込んだことまではさすがに誰にも言えませんでした。
ただもし今同じことが起こったとしたら、僕は間違いなく、むしろ躊躇なく便器に腕を突っ込むでしょう。
なぜなら僕は消化器外科医だから。
コメントはまだありません