全く留学したことがない私がこのような留学ブログに文章を乗せてしまって大変申し訳ございません。
若手心臓外科医を急募しています。
まずは自己紹介ですが、2006年大学卒業後、群馬で初期研修、京都で外科研修、仙台厚生病院心臓外科、埼玉医大国際医療センター小児心臓外科、イムス葛飾ハートセンター心臓外科でトレーニング、現在は新小岩にあるイムス東京葛飾総合病院で心臓外科医をしています。北原先生の2個上で大学時代も医者になってからもそこまで会話したことなく、ただメールで少しだけ連絡を取り合ったことがある程度の関係です。あ、あとTシャツをいただきました。ありがとうございます。このお礼はいつかお食事で。
心臓血管外科医は現在院長を含め7人働いていますが、血管外科も盛んで7人中4人は血管外科中心の生活をしています(血管外科は年間800例以上でステントグラフトからディスタールバイパスまでできない手技はありません)。心臓はとりあえず年間200例を目標に頑張っています。心臓の執刀医は院長と僕2人で独立しています。2人の前立ちを7年目の先生がしているのですが、彼が入れないときは血管外科の先生方に手伝ってもらっています。
私は現在38歳で33歳ごろから徐々に一人で手術をさせてもらい、現在は週平均2例程度(年間100例いかないくらいのペース)で開心術をしています。バイパスは基本OPCABでall arterial からno touch veinと症例に応じて最適と思われるデザインでやってます。だいたい3枝3時間くらいです。弁は、そろそろmicsをやろうかと思っているところです(院長はやっています)。単弁なら2時間台、2弁3弁は4時間くらいです。大血管(瘤、解離)は100例以上やって死亡率、合併症(脳梗塞等)率1%未満です。トータルアーチはだいたい4時間台です。施設全体の縦隔炎発症率、出血再開胸率は0.5%以下です。
合併症一つ起こしたら心臓外科医をやめるという意識を持って日々取り組んでいます。そのためには一つ一つの所作を世界で一番丁寧に、一つ一つの所作の間を世界で一番短くする、早い手術というよりとにかく無駄を極限まで省いた美しいスタイリッシュな手術を目指して日々手術のことを考えています。あと基本的に手術は数ではないと思っていて、練習以外では手術は上手くならないと考え、世界で一番練習するように心がけています。上手い人は1例目から完璧な準備をして完璧な手術をするものです。
若い人の中には自分が一人前の心臓外科医になれるかどうか、不安でならない日々を過ごしている人もいると思います。ただ、どの領域でも言えることですが、強烈なモチベーションとセンスを持っていれば、一流になることはとてつもなく楽勝です。特にこの心臓外科という領域は、偏差値が少々高い人々の集団から抽出された人々で構成されていて、安易に想像できますが、偏差値が高い人たちは芸術的センスとか音楽的センスとか手先の器用さとかオシャレな感覚を持っていないのです。さらに偏差値の高い人々はある程度他の人よりも問題解決能力があるがゆえ、地道な努力をしない傾向にあるような気がします。どこか効率だとか時間の有効活用を考えてしまう。一流のピアニストが一日10時間以上練習するとか、一流のマジシャンの裏に隠された強烈な努力とか、金メダリストの日々の愚直なトレーニングとかが出来ないのです。心臓外科は不器用な人々を集めて、器用なことをしようと、あーだこーだ議論している集団ですので、感覚的には100m15秒の人たちが14秒台になるにはどうしたら良いのか頭使って偉そうに論じている集団なのです。そんな不器用な集団の中で、もう一度言いますが、強烈なモチベーションとセンスを持っていれば、一流になることはとてつもなく楽勝です。
このページをご覧になっている先生方の多くは海外で心臓外科されていたり、これから海外でトレーニング受けたいと考えている方々が多いと思います。横文字の施設で心臓外科医やって海外学会で発表して論文書いて、、、眩しいくらい素敵な生活です。ただ、我々心臓外科医の根本にある存在意義は、世界最高の手術を目の前の患者さんに提供できるということです。決して肩書きではありません。肩書きは一流でも手先は五流の先生方を今まで何人も見てきました。
私自身も海外でのトレーニングに憧れ一時期留学を考えていました。しかし留学の準備に要する膨大な時間を全て手術の練習に当てたら、どこまで自分は成長できるのだろうと考えて練習していたら、自然とチャンスが巡ってきて、現在に至ります。
最近様々な先生の手術を見る機会がありますが、つくづく外科医形成において大事なのは初期段階でどのような教育を誰に受けたかであると思います。私自身も5年目から心臓外科のトレーニングを始めましたが、仙台厚生病院で一流と呼ばれる先生方の手術を何人も見る機会に恵まれました。その一流の先生方の手術を超えるにはどうしたら良いか日々考え、練習して、勉強して徐々に手術ができるようになり、現在も最高の手術をするには、100m9秒台で走れるようになるにはどうしたら良いのか考え続けています。
先週は解離のトータルアーチ3例と弁輪拡大のAVR1例、計4例心臓手術を執刀しましたが、全て開心術の前立ち経験がほとんどない血管外科の先生に手伝ってもらいました。基本的に誰かが前に立っていてくれれば手術はできると思っています。
ただ勿体無い。
初期研修を終えたくらいのやる気のある先生がいてくれたら、即開心術の前立ちをしてもらい、勉強できるチャンスが無限にあるのに。
長々と書いてしまいましたが、若手のやる気のある先生にぜひ来ていただきたいのです。別にちょっとの間でも構いません。海外に行く前、医局に入る前の少しのステップと考えていただいても構いません。院長以外は皆30台で若いチームでやっています。新時代の心臓外科を目指してますので、この御時世、パワハラ、セクハラはありませんし、手術も基本的に「嵐」の曲をかけて楽しくやっています。血管外科も多く、基本的なFFバイパスとかFPバイパスとかシャントとか静脈瘤とかカテーテルもふんだんに経験できます。月に1回程度ウエットラボもあり練習もできますし、チャレンジャーズライブとやらに出たいのであれば、院長の弟子は何人もそこで優勝していますので、ノウハウはどの施設よりも熟知しています。また私自身の考えた無数にある心臓外科トレーニング方法もいくらでも伝授できます。6.7年目以上の先生なら、私自身もうすでに解離の手術とかは飽きがきていますので、大血管の手術、単弁置換、バイパス吻合もやっていただけます(ただ努力をしている人にだけです。それはご容赦ください。扱っている臓器が心臓でワンミスで患者さん死にますので…)。
今現在の状況に少しでも疑問があって、もやもやしていて、この先どうなるのかなと少しでも不安を抱えている心臓外科医の先生、心臓外科になりたい先生はぜひ下のアドレスにご連絡いただきたいです。見学だけでも結構ですので一度新小岩にいらしていただけたら幸いです。
イムス東京葛飾総合病院 心臓血管外科医長 山岸俊介
4件のコメント
山岸先生、先生のように芸術的センスに優れた人にこれだけ努力されたら敵いません。是非、わたくしも先生のところで研修したいところです。
べーちゃん、読んでくれてありがとう!!できたら、べーちゃんの後輩が良いです!!べーちゃんはもう色々できるでしょ!!
いやいやOPCABとか、harmonicでとるIMAとか、いろいろ勉強することはいくらでもあるよね。ほんとに。みんなやり方違うから、勉強は続くよね。
ぎしくん、素晴らしい成績やね!若手には本当にいい経験になるとおもいます。
てか、またアメリカにもどる前にあんまり時間がかかるようなら、お願いしたいかもー。また連絡します。