よく聞かれることですが、どうやってドイツ語を勉強したか、そして現在勉強しているか。
一番大事なのは会話の場数を踏むことなのだと思います。
私は大学入学後、一般教養でドイツ語を選択し、その後在学中、4年次、および6年次にドイツへ基礎および臨床研修として留学しています。留学前にはドイツ語の語学学校へ通い準備したほかドイツ人留学生と語学交換する(お互いに協力して語学を学ぶということから二人乗りの自転車にのる発想でTandemとドイツでは言われます)などして文法だけでなく会話に重点をおき勉強しました。
一般教養から始まればすでに10年はドイツ語を勉強していることになりますが、いまだに同僚や患者さんの話している内容の一部はわからず、特に雑談となるとほとんどついていけません。テレビをつけてニュースを見ていたりすると出現する単語はすべてわかるにも関わらず急に話しかけられると頭がついていかないように感じられます。ドイツ滞在はすでに一年を過ぎていますが、日本人的内向的性格からか積極的に人に話しかけること、話に割って入っていくことなどが苦手でなかなか会話の糸口をつかめません。
2015年末よりの新制度により各州でFachsprachprüfung(専門的会話試験)が課されるようになりました。Approbation(アメリカのUSMLEにあたるもの)を得るには各種書類に加え最後の関門としてこの試験に合格することが控えます。ドイツ留学中の多くの先生方がこの試験に足を引っ張られ、スムーズに臨床留学へ移行することができないでいます。一番理想的であるのはArbeitserlaubnis(労働許可)を得て、働きながらFachsprachprüfungの準備をすることです。病院によっては院内に外国人用に語学教室を開催してくれるところもあり、ドイツ語を磨きます。ハンブルクでは無料で外国人用に語学クラスを開催してくれる学校もありますが、日中の開催となり働きながら通うことはかないません。また私の働く大学病院では院内の語学教室もなく、現在試験対策をどうすべきが頭を悩ましているところです。
写真はニュースでやっていたもの。トランプ大統領のハトコ?みたいなひとです。ひいおじいさんとひいおばあさんが兄弟なんだとか。
3件のコメント
個人的には、語学力の上達はどれだけ公衆の面前での辱めを受けたかで決まると思ってます。みんなの前で恥辱の刑があればあるほど伸びるでしょう。そういう意味では、下働きやプレゼンをみんなの前で常にやらされる立場(例えばjunior resident)の経験は最も効果的です。全身でみんなからの辱めを受け止めるのも仕事の一環であり、その経験により否が応でも語学力は伸びていくと思います。逆に、そういったことが一切スキップされる立場、やらなくていい立場の場合、何年いても上達しないと思います。また、言語にハンディキャップがある人物は患者や家族とのコミュニケーションもやらなくていいという空気、暗黙の了解がチーム内で生まれます。そして当の本人はそんな空気にも気づいてないことが大半です。
北原先生ありがとうございます。その国にいれば、ある程度基礎知識があれば、一年もいればと鷹をくくっていましたが、なかなか言葉の壁は厚いでね。先生のブログ楽しんで拝読させていただいています。
語学って大変ですね。そんな中でちゃんと働いてる先生を尊敬します。僕の最大の誤算は、アメリカにいれば英語喋れるようになるだろ、という甘さでした。