この日はロヴァニエミからさらに北上し、ついに北極圏に突入することになりました。気温は14℃と真夏とは思えない寒さでした。
北極圏の境界線はロヴァニエミから数キロ北の所にあり、そこには「サンタクロースの村」があることが知られています。
到着して早速僕もサンタクロースに会ってみることにしました。
いかにも北欧っぽい建物に入って奥に進むと、閉ざされた部屋の前にちょっとした列が出来ていました。すると部屋からサンタの弟子的なお兄さんが現れ、最前列の人にどこから来たかを尋ねて部屋の中へと案内しました。どうやら1組ずつ呼ばれてサンタクロースと対面するようです。
僕もいよいよ最前列となり、サンタの弟子に日本から来たことを告げて、部屋の中へと入りました。
そこには本物のサンタクロースがいました。それはコスプレであることを全く感じさせない、まさにプロのサンタさんでした。サンタさんはおもむろに僕に話しかけて来ました。
サンタ「ドコカラキタンデスカ?」
サンタさんは日本語が上手でした。最初に国を聞かれた理由がわかりました。
星「に、日本語上手ですね」
サ「マァ、サンタサンデスカラ。デ、ドコカラキタンデスカ?」
星「東京です」
サ「ウーン……セタガヤクライデスカ?」
偶然にも当時僕は世田谷住みでした。
星「そう、世田谷!世田谷です!」
サ「ホッホッホ。ガクセイデスカ?」
星「はい、大学生です」
サ「ワセダデスカ?」
ん?
星「いや、違います!早稲田じゃないです!」
サ「ソーナンダ。ワセダガニホンデイチバンノダイガクダトキキマシタ。」
こんな感じのやりとりが2-3分続き、最後にサンタとツーショットを撮られて時間となりました。写真は30ユーロくらいと高かったので買いませんでした。
後ろの家族はイタリア人でした。サンタさんはイタリア語を話していました。
たぶんサンタさんはシフト制でオフの時にめちゃめちゃ他の国の言語を勉強してるんだと思いました。
僕は再び夜行列車に乗ってヘルシンキに向かいました。
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