ある日、何事もない冠動脈バイパスがありました。何かないかと思い出そうとするのですが、何事もありませんでした。しいていうならデイビッドのおっさん(クリニカルアソシエイト、フェローとアテンディングの間みたいな人)が「この症例はチーフから手伝うように言われてるんだ。だから俺が胸開けるけどいいよな。な。」と術前に念押しされたことくらいです。「いいけど」と答えました。手術は終わりました。
ある日、LVAD(heartware)と僧帽弁の手術がありました。なんか右房とか「なんでこんなに薄いの」と泣きたくなるくらい薄かったです。 6月1日から心臓麻酔のローテーションにパトリックというラテン系の男が入ってきました。ICUで一緒に働いていたことがあるのですが、彼も僕に彼女を作ってあげよう連盟の1人みたいで、関係ない手術に入ってきてずっと僕に話しかけてきてました。彼が言っていたのは 「アジア…
ある日冠動脈バイパスの手術がありました。普段使ってる拡大鏡は3.5倍なのですが(シカゴに来た時に買ってもらいました)、最近バイパスの時は日本から持ってきた4倍のものを使っています。倍率が高いというより、なんかすごくきれいに見えるからです。カールツァイスというメーカーのもので、かなり良さげですが、やや重いのと焦点距離が近いのが辛いところです。拡大鏡つけるのなんかかっこいい感じするよね、が僕が心臓外科…
ある日、手術の95パーセントはロボット手術であるロボ外科医のロボット使わない通常の手術(バイパスと弁)に入りました。手術中なにかと「ヒロ、再開胸どうやって開けてる?」「人工心肺いつ回す?」「足からカニュレーションした方がいいかな?どうしよ」と優柔不断の質問マシーンと化していました。この人、普通の手術できないのかな、と思いましたが、めちゃくちゃ上手に手術してました。何も知らないように見せかけて、実は…
ある日、再開胸のAVRがありました。昔ホモグラフトした人で割とややこしい感じでした。それが終わると心移植でした。 まぁ、そんなことはどうでもいいのですが、どうやらシカゴ大学がセクハラで訴えられてるということが朝の話題になってました。前に3ヶ月くらいいてすぐに辞めていったしょぼめのPAがいたのですが、その人が朝のニュースにでてシカゴ大学で同僚からセクハラを受けていたので訴えます、と高らかに宣言してい…
ある日、珍しいタイプと話題になっていたPAPVC(そもそも基本的なものがよくわかりませんが)の手術がありました。手術にはチーフと小児専門のジマーという先生(年間に4件ほどの小児心臓手術をする)が同時に入っていたため、いわゆるダブルアテンディング体制でわちゃわちゃしていました。当然「ほれやってごらん」と渡されても両者からあーでもないこーでもないと言われわちゃわちゃとしていました。 6月の終わりに僕も…
ある日、弁を全部いじる手術がありました。チーフの症例だったのですが、PAがいないという緊急事態であったため、ラザ(レジデント)と僕で手術に入りました、今日のオペナースはショーンでしたが、調子が悪かったのか間違ってばかりいました。チーフはそれをみてちょっと意地悪してやろうと思ったのか、僧帽弁のサイジングの際に「33mm、オッケー。じゃあ次、35mm」とありもしない弁のサイズを言い、困って探してるショ…
ある日、小切開の大動脈弁置換術と、シックな人(重症患者)にBIVADをいれる手術の2つの手術がありました。小切開はドクターバルキーというロボット外科医のケースで、BIVADはテイというメカニカルサポート(エクモとか)を担当する若手アテンディングのケースでした。患者の質、手術の侵襲など、正反対のケースといえますが、どちらも魅力的なものでした。例えるなら頭のいいキレイな人もいいけど、ちょっとバカな可愛…
ある日、LVADと弁をいくつかいじる手術がありました。手術終了後ドレープをとっているとショーン(オペナース)が「コードブラウンだ」と叫びだしました。コードブラウンとは手術中に排便がみられた際に発動されるコードで、基本的にはみんな悲しい気持ちになります。みんなしてお尻を綺麗に洗っていましたが、今日はなぜかみんな楽しそうでした(なんかわいわいしてました)。 ベッド移動の際、移動を手伝おうと患者の近くに…
ある日、土曜日の朝っぱらから肺移植がありました。夜は予定があったので午後くらいには終わると期待してましたが、やっぱり夕方くらいまでかかりました。最近はテイ(若手アテンディング、韓国人)と太田先生(上司)のダブルアテンディングが手術に入らなくてはいけない決まりになったみたいで、二人とも辛そうです。外科医二人が同時に手術に入るのは、お互いにやり方や考え方が違ったりするので、どちらも非常にやりづらそうで…